15.JUNE 2016
書家の友人の名刺デザインです。 すこし渋めのトーンで、新鮮で楽しい提案をさせてもらいました。 用紙は活版印刷用のコットン紙。紺色は用紙自体の色です。 深くてきれいな色。 この紙は繊維がやや粗めで、ざらっとした手触りがあるので、名刺を受け取ったお相手が 和の、日本の"書"という雰囲気をふわっと感じてくれればいいな、と。 和風です!!!って感じは希望ではなかったので、そこはやりすぎにならないように、 いかにも「和紙です!」という紙は避けました。
文字はホワイト一色の活版印刷。 用紙の色が透けるのは了承の上で、あえてそれを楽しみたいということだったので このように、用紙と馴染んで柔らかい仕上がりになりました。 強めの圧でしっかりめに押しています。 さらっとしたスクリプト体で英文名を入れて若さを出し、 明朝体でかしこまった上部と、少しコントラストをつけました。 そしてこの名刺は、ご本人が印を押して完成なのです。
書家さんが使用する「雅印」という綺麗な印を、活版で作った○の中に押して使用します。 紺色に朱色が映えて、ぐっと締まった印象に。 「本物」って感じがします。日本人が印に対して持っているイメージかな。 一枚ずつ印を押しているので、全て違うのもいいね。 もらったらうれしいよね。 ご本人の手で完成させてもらうという、新しい形の名刺でした。